鹿児島放送の番組審議会は、志學館大学教授で鹿児島県立図書館長の原口泉さんを委員長に
県内の有識者8人で構成され、放送番組の向上をめざして意見を交わしています。
今回は、KKBが自社制作し、2月22日(月)午後7時から1時間放送した特別番組『彼女モード 向田邦子のたし算ひき算』について審議しました。主な討議内容は次の通りです。
『彼女モード 向田邦子のたし算ひき算』
- 月曜日の夜のゴールデンタイムに通常の全国ネット番組を差し替えて、KKB制作の番組を放送したことは素晴らしい。かごしま近代文学館に収蔵されるファッションを通じて向田邦子のこだわりの人生を紹介しているが、友人の黒柳徹子さんも出演する豪華な番組づくりだった。
- 向田の人物像を作品とファッションを結びつけて浮かび上がらせた、非常に質の高い番組と感じた。
- 電話の留守番メッセージにお茶目な一面が出ていて、向田の肉声を聞くことができたのは貴重な機会だった。
- この時期、なぜ向田邦子を取り上げるのか、分かりづらかった。言葉不足、説明不足が随所に見られた。
- 凝った作りだった。テロップの字体は流麗で、バックの音楽は映像や登場人物のせりふに合った選曲と思った。ナレーションも温かみがあって包み込むような声色だった。
- 番組ナビゲーターに女優の栗山千明さんを起用したのが絶妙のキャスティング。語り口に思いがこもっており、カメラの前で小説を読ませたのも斬新な手法だった。
- ホームドラマ全盛期の脚本家として知られていたが、ファッション界に与えた影響というよりも、その後はトレンディドラマや恋愛ドラマがはやる中で、後進の女性脚本家にどんな影響を与えたのかについても知りたかった。