KKB鹿児島放送の番組審議会は、志學館大学教授で鹿児島県立図書館長の原口泉さんを委員長に県内の有識者8人で構成され、放送番組の向上をめざして意見を交わしています。今回は、今年10月に開催される第86回系列番審委員代表者会議の議題、「テレビは何故つまらなくなったのか」について審議しました。主な討議内容は次の通りです。
『テレビは何故つまらなくなったのか』
- 知的好奇心を刺激される番組が最近少なくなっているように感じる。テレビ局自体が効率性や視聴率、予算などの問題を抱え、見てみたいと思わせる情報を十分に発信しておらず、ネットの情報を流しているようなところもある。
- テレビの現状を3つの切り口から考えてみた。1つ目はテレビの位置づけの変化。情報の入手方法も多様化し、テレビを見る比率が下がってきている。2つ目は番組内容の切り口。視聴率を意識しすぎて、番組内容がおとなしくなった気がする。3つ目は見る側の変化で、核家族化し家族でテレビを見るというより、それぞれが興味のあるものだけを見ているという現状があるようだ。
- バブル期が崩壊後、番組予算が削られたのが面白い番組のなくなった原因の1つかと思う。また、番組を制作会社が作るようになり、局の作り手の熱意みたいなものが伝わりにくくなったと考える。これからの時代はテレビの面白さを知らない世代が作る世代に突入するので、ますます厳しくなると思う。
- つまらなくなっているわけではない。情報の処理、提供の仕方などの技術はかなり上がってきていると思う。これだけ個々人の価値観が多様な時代に入った今、テレビを制作する側が、みんなが受け入れるような番組を作るのは難しいのではないか。