鹿児島放送番組審議会

第381回 2020年7月22日

KKB鹿児島放送の番組審議会は、志學館大学教授で県立図書館長の原口泉さんを委員長に県内の有識者9人で構成され、放送番組の向上と適正化をめざして意見が交わされています。今回は「新型コロナウイルス報道とテレビの役割」について審議しました。主な討議内容は次の通りです。

『新型コロナウイルス報道とテレビの役割』

  1. 新型コロナの状況下では誰かを批判しても仕方がなく、知恵を求めて広く伝えることが求められる。また、「Go To トラベル」などコロナ対策をめぐる様々な政策決定の過程や迷走ぶりを検証しながら絶えず報じていくことがテレビの大事な使命の一つだと考える。
  2. 鹿児島ではクラスターが発生した後も高齢者の感染など予断を許さない状況が続いている。感染拡大防止に向けて市民への意識啓発・注意喚起・情報提供、行政への提言や市民意見の代弁など報道が果たす役割は極めて大きい。
  3. 新型コロナウイルスに関する行政の発表はKKBの動画アプリ「KAPLI」でいつも見ているが、テレビ局のSNSは今後も重要な存在になると思う。新型コロナの感染拡大はメディアの使命や役割について原点に返って考える機会になったとも言える。テレビを見ることでハッピーな気持ちになりたい、笑いたい、楽しみたいという原点は忘れずに番組づくりをしてほしい。
  4. コロナ禍のテレビの役割として正しい情報を効果的かつタイムリーに提供すること、公衆衛生のメッセージを県民に共有させること、社会の紐帯を維持することの3点が重要である。特に人権や風評の点はテレビで意識啓発がなされるところであり、大変期待されている部分だと思う。
  5. 当初は何が正しくて何が悪いのかを考えさせられる状況だった。県内ではショーパブでのクラスター以降、迅速な報道や行政・医療の懸命な対応があって県民の自衛能力と自衛対応がより求められることになったと思う。
  6. コロナ報道の中で物事の本質からかけ離れたり、話題性だけに向かう傾向や不安をあおったりして国民を感化していく部分がなかったとは言い難いと思う。ネットと連動した根拠のない予防法や治療法、日用品の買い急ぎを招くデマ情報が多かった。消費者庁が公開する製品やサービスに関するデマ情報なども随時出していただきたい。
以上のような感想や意見、要望が出されました。
KKB鹿児島放送は今後もこれらの声を番組制作や放送活動に生かしてまいります。
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