KKB鹿児島放送の番組審議会は、志學館大学教授で県立図書館長の原口泉さんを委員長に県内の有識者9人で構成され、放送番組の向上と適正化をめざして意見が交わされています。今回は自社制作番組「2020鹿児島県夏季高校野球大会」(2020年8月8日 総集編「みんなの夏にありがとう」放送)について審議しました。主な討議内容は次の通りです。
『2020鹿児島県夏季高校野球大会』
- 総集編の冒頭で鹿児島城西高校からのライブ映像は「いきなり感」があり、最初でなくても良いと感じた。今回は通常のトーナメント方式ではないので、大会のシステムを少し説明して欲しかった。ラストミーティングはそれぞれのカラーがあり、高校野球の教育の一面を垣間見ることができた。チームメイトや仲間の声も効果的で、多くの人に支えられた「感謝の夏」であることが伝わってきた。
- 今回の大会はコロナで気分が落ち込む県民や高校生に貴重な機会をつくってくれた。高校生にとっては鴨池でプレーし、試合がテレビで放映されることは甲子園に負けないくらい大きな満足感を与えるものだと思う。泥まみれで真摯に取り組む姿や情熱を見て、すがすがしい気持ちにさせてもらった。
- 夏の高校野球を振り返る番組としてはこれまでで一番良かったのではないかと思うほどドラマがたくさん盛り込まれた内容の濃い番組だった。動画アプリ「KAPLI」でいつでもどこでも見られるようになり、高校野球の番組の可能性も広がったのではないかと思う。
- コロナで高校野球事情が一変する中、番組によって高校球児と関係者が力づけられた部分はあったのではないか。1年スキップする年があると当事者の士気が落ち、支援する側の意識も薄まりかねないので、意義の大きい放送だったと思う。個別に選手の背景を取り上げたコーナーは見応えがあり、選手や監督の思いがじかに伝わる番組のつくりは教育上も良い内容だと感じた。
- 高校野球は地域のコミュニティーと密接につながっていて、今回は7地区の予選を全て取り上げ、県内全域を扱っている印象を受けた。スポンサーとして多くの企業名も表示され、たくさんの人が関わっていたという社会的メッセージではないかと思う。高校野球の感動を「かごしま国体」につなげていければ、延期になった国体も必ず成功するのではないかと思った。