KKB鹿児島放送の番組審議会は、志學館大学教授の原口泉さんを委員長に県内の有識者9人で構成され、放送番組の向上と適正化をめざして意見が交わされています。今回審議された課題番組は、4月5日に放送した自社制作番組「テレメンタリー2021『先生、お産です。』」について意見が交わされました。主な内容は次のとおりです。
「テレメンタリー2021 『先生、お産です。』」
- 医師の飾らない人柄、妊婦さん一人ひとりに真しに向き合う姿、そして75歳という年齢を感じさせないバイタリティー、こういうものが番組全体を通じて伝わってきた。
- 少子高齢化が強く叫ばれ、地方の力が大きく失われている中、産科医を通して地方の実情を、感動的なお産という視点から紹介し、わがまちの将来を考えさせてくれた番組だった。地方の実情を改めて教えてくれたと思う。
- お産のシーンを見ると改めて女性は強いと痛感した。コロナ禍の下、お産に対する不安や心配は尽きない。少子高齢化のこの時代、このような報道を通じて今の厳しい地方の実情にしっかり目を向けていただくことを期待する。
- 約40年間で1万8000人を超える赤ちゃんをとりあげてきた75歳の産科医という話と、新型コロナ感染拡大の長期化で厳しさを増す、お産の現場という話、少子化や出生率の低下という話題が、わずか30分の番組に盛り込まれたことで、ドキュメンタリー番組としてのインパクトが薄れてしまったように感じた。
- 具体的なエピソードを交えながら制作されていて、視聴者として引きつけられるところがあった。産科としての医療体制の在り方、新型コロナと向き合う現場の苦労、医療機関の葛藤が描かれていた。
- ナレーションの声が番組と合っていなかったように感じた。声の出し具合を迷っているような、声が出きっていないような感じで、少しもったいないと思った。
- 放送時間が深夜2時台というのはさすがに遅い。多くの人に見てもらうにはもう少し早い時間帯のスタートだといい。
- コロナ禍での産婦人科病院の撮影は制約があって苦労したと思う。コロナ前から長期にわたって丁寧に取材していたことで、信頼の下に撮影がスムーズにできたのではないか。取材をする側とされる側で、信頼関係を築いていくことが重要ではないかと感じた。