鹿児島放送番組審議会

第408回 2023年4月26日

KKB鹿児島放送の番組審議会は、志學館大学教授の原口泉さんを委員長に、県内の有識者8人で構成され、放送番組の向上と適正化を目指して意見が交わされています。
今回は、4月2日に放送したテレメンタリー2023「和牛のミライ 〜元ホストの挑戦〜」について審議しました。主な内容は次のとおりです。

課題番組 テレメンタリー2023「和牛のミライ 〜元ホストの挑戦〜」
(令和5年4月2日(日)午前10時〜午前10時30分放送)

  1. 鹿児島が前回大会に続いて和牛日本一を獲得したその後を物語るような位置付けで、内閣総理大臣賞を受賞した藤山粋さんの物語として、非常に興味深く拝見できた。ナレーションもすごく声が渋くて、かっこよかったし、全体的に映像が綺麗で、牛や人の表情までとてもよく捉えられていた。
  2. 鹿児島県の農業産出額は令和3年度で言うと4,997億円で、北海道に次いで第2位だが、そのうち畜産部門が3,329億円であり、約2/3を畜産が占めているという畜産県である。この農産物は、大都市などの方々も食べているので、このタイミングの中で「和牛のミライ」という題材として取り上げたのは、全国和牛能力共進会が終わったあとでタイムリーだったと思うし、本県からの情報発信ということで、大変いい素材を取り上げたのではないか。
  3. 番組ではいわゆる日本一のところから転じて、少しギャップを持たせたかたちで課題の提示がされていた。飼料高騰などがあってもなかなか価格転嫁がしにくく、これから消費者の理解を得て価格転嫁を行っていかなければならない問題がある。後継者不足についても、自分が頑張っている姿を見て、将来牛飼いや畜産に入りたいなと思ってくれたらいいとか、非常に誇りとか使命感を持って取り組んでいるというところが見えていた。日本一を獲った畜産農家である藤山さんの口からそういう課題の核心をズバリ突いていた発言をうまく引き出せていた。
  4. 後半は畜産業の課題だったり、宇宙牛プロジェクトとして新しいテクノロジーを使った現代の農業を紹介したり、やや広がりのあるところを見せるという構成もすごくわかりやすかった。
  5. 農業全体について一般の人に理解してもらう番組というのは、農業県である本県では大切だと思うので、今後も折々、例えば「Jチャン+」の特集等で、シリーズで取り上げるなどで続けていただきたいと感じた。
  6. 藤山さんを跡継ぎに呼び戻した父親の手紙だとか、奥様の後押し、家族みんなでのご苦労とか役割分担を含めて、どのようなチームワークででき上がっているのかという紹介もあれば、少なくとも藤山さんが家族のことをどのように思っているのかを触れていただけたらよかった。
  このような感想や意見、要望が出されました。
  KKB鹿児島放送は今後もこれらの声を番組制作にいかしてまいります。
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