鹿児島放送番組審議会

第412回 2023年9月27日

   KKB鹿児島放送の番組審議会は、志學館大学教授の原口泉さんを委員長に県内の有識者9人で構成され、放送番組の向上と適正化を目指して意見が交わされています。
   今回は、「8・6水害から30年〜あの日を語り継ぎミライへ〜」と「Jチャン+」での8・6水害特集について審議しました。主な内容は次のとおりです。

審議番組
「8・6水害から30年〜あの日を語り継ぎミライへ〜」(8/6 午前10時15分〜午前10時45分 放送)
「Jチャン+」8・6水害特集(6/7、21、28、8/3 放送回)

  1. 地元の報道機関としては、8・6水害から30年というのは、取り上げないわけにはいかない課題。この機会にきちんと防災に向けての教訓というのを語り継ぐというのは、報道機関の使命でもある。その中で難しい防災特番というものに取り組んだ作り手のアイデア、たとえば体験者の証言を聞いたり、被災した人たちの今を訪ねたりとか工夫を感じる特集、特番だった。
  2. 私自身、30年前を思い起こすと同時にかねてから備えないといけないと痛感した思いで見ました。番組を見た方は私のように感じた方もたくさんいらっしゃって貴重な番組だったと思う。ただ8・6水害後の復旧にいたるまでの状況、冠水がどれくらいで引いたのか、断水でどんな対策が行われたのかといったこと。冠水地域で住宅が底上げされ、1階が駐車場、住まいが2階以上になる建物が増えたことなども一緒に継承していけたら良かったと思う。
  3. あの日から30年という節目にあたって、災害への危機感やこの災害を後世に伝えて防災を学び続ける必要性が伝わるとても有意義な番組で、今後も継続していただきたい。最新のVR技術を駆使して8・6水害を擬似体験させるとか新しい手段の提案、アイデアがあっても良かったのではと思った。
  4. 山は崩れ、川は氾濫し街は水に浸かる。歴史的建造物の石橋も落ちる。とても現実とは思えないあの記憶を呼び覚ましてくれた。災害はいつ起こるかわからないから日頃の備えしかない、それが30年前の8・6水害であったと放送を見て感じた。
  5. 報道の基本は「わかりやすく」だと思うが、下川先生の話は本当にわかりやすく、大事なポイントはアナウンサーがおうむ返しで伝えたので、視聴者の記憶に残りやすい番組になっていたと思う。30年前の惨事を見て繰り返してはならないことを新たに知った方も多いと思うが、昔の映像が残っていることは放送局ならでは、と改めて感じた。
  6. 30年前に比べて豪雨、大雨の災害リスクは確実に高まっている。災害に備えてのインフラ整備も進んでおり、仮に30年前の災害が同じように起きたら災害リスクに対する抵抗力や社会機能を維持、回復する力がどれくらいあるのか、という角度で取り上げるのも興味深いのではと感じた。
  7. 8・6水害と同じ日に放送できたこと、なおかつ台風が接近してきていて番組の中でも台風情報が流れて、伝えるべきことがしっかりと伝わっていた。こういう情報の伝え方も昔とは大きく変わったと感じた。
  8. 県民の4分の1は8・6水害を体験していない世代になり、未曽有の災害を語り継ぐことの重要性を再認識した。事前に体験談を募集して一般の身近な人々の声を拾って双方向の放送ができればと思った。また鹿児島県はBCP、事業継続計画が遅れており、企業向けの啓発も重要だと思う。
  このような感想や意見、要望が出されました。
  KKB鹿児島放送は、今後もこれらの声を番組制作に活かしてまいります。
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