鹿児島放送番組審議会

第422回 2024年9月25日

   KKB鹿児島放送の番組審議会は、志學館大学教授の原口泉さんを委員長に県内の有識者9人で構成され、放送番組の向上と適正化を目指して意見を交わしています。
   今回は、テレメンタリー2024「秩序と闇 それは犯罪か、内部告発か」について意見が交わされました。冒頭、石窪奈穂美委員から、県公安委員長の立場を踏まえて「退席したい」と申し出があり、原口委員長は他の委員の意見も確認して退席を認めました。

審議番組
テレメンタリー2024「秩序と闇 それは犯罪か、内部告発か」[令和6年9月8日(日)]

  1. 「本部長が警察官の不祥事を隠ぺいした」との元県警幹部の告発を整理して伝えようとしたが、論点を詰め込みすぎた。もっと絞り込めれば核心にフォーカスできたのではないか。ドキュメンタリーで強いメッセージを出せるのは当事者らの言葉や表情だが、識者の談話で締めたのはどうなのか。警察は否定するが、怪しい部分はある。続編が作られると信じる。
  2. 元県警幹部は同僚らへの取材では誠実で正義感の強い人物との印象だが、内部告発なのか、情報漏洩があったのか、わかりにくかった。事件を追いかけて暴くスタイルではなく、事実を紹介し世の中に問うドキュメンタリーだが、モヤモヤした感じがぬぐえない。本当のところどうなのか。ジャーナリズムの立場で追いかけて行って欲しい。
  3. 番組は一連の問題が時系列で整理され、全体像が把握できる構成だった。内部告発がきっかけとなって事件対応の不手際や署員の盗撮が表ざたとなり、もし内部告発がなければそのまま隠ぺいされていたのではと感じた。報道機関への情報提供に警察が介入するのも報道の自由や知る権利を否定する行為で恐怖を感じた。
  4. 「闇を暴いて下さい」と内部告発を北海道の記者に送ったとされ、真実を知りたいと思っていた。県警本部長は隠ぺいの疑いを否定し、百条委も設置されず、枕崎署の伝達ミスとの説明も疑問が残る。短い番組の割に多くの識者コメントがあり労作だ。ニュースサイト代表の顔にぼかしが入っていたのはもったいない。憤りを感じる事件だが、ナレーションで穏やかに見ることができた。
  5. 正直、理解できない。関連性のない情報が広がり、別物の事件が絡まっている。「闇」というタイトルにも抵抗を感じた。私たちも出していない情報もあるが、タイミングの問題なのに「隠していた」と言われる。自己の利益のための情報漏洩と公の利益のための内部告発の境目は難しい。メディアの情報を幅広く聞き判断しなければと、いろいろ教えられた。
  6. 話の流れがわかりにくかった。県警の「隠ぺい体質」が本当なのかが一番の関心事。警視正まで上り詰めた人が退職後に別人の名前で北海道のニュースサイトに送ったのは解せないが、理由があったのか。警察への信頼がなければ生活は成り立たない。続きを番組で取り上げ、闇が潜んでいるなら払拭して欲しい。
   このような感想や意見、要望が出されました。
   KKB鹿児島放送は、今後もこれらの声を番組制作に活かしてまいります。
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