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『桜島の大正大噴火から111年 AI技術で分かる「被害の実態」』

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58人の死者・行方不明者を出した桜島の大正大噴火から12日で111年が経ちました。
火山の専門家が当時の写真をフルカラーで再現し、改めて警鐘を呼びかけています。

先週開かれた防災訓練。
桜島の住民など約1500人が参加し、大きな噴火が差し迫っているときの避難の手順を確認したほか、避難所での生活がどのようなものか体験しました。

(参加者)
「災害というのは慣れるものでもないし、シミュレーションができるのは素晴らしい体験」

(鹿児島市 下鶴隆央 市長)
「大正噴火級の大噴火がいつ起きてもおかしくない時期に入ったとされている。大規模噴火への備え、大正噴火の教訓を次の世代へとつないでいくことも重要視している」

111年前に起きた大正大噴火は58人の死者・行方不明者を出した国内で20世紀最大の噴火と言われています。
ただ、時代が古く白黒の写真や映像しかその規模を示す記録は残っていません。
鹿児島大学の井村隆介准教授は人工知能・AIの技術で当時の貴重な写真をカラー化しました。
すさまじい量の噴煙。家屋の被害。
色がつくことで、“歴史”として伝わる大正大噴火の被害の有様が迫力を伴って伝わってきます。

(鹿児島大学 井村隆介 准教授)
「一般の人にモノクロの桜島の写真を見せても反応が鈍い。(写真を)カラー化したら一般の人に伝えやすくなるかなと思って始めた」

大量の軽石が積もった茅葺きの家屋の様子や海辺では噴煙を背に魚を捕る子どもたちの姿も。

(鹿児島大学 井村隆介 准教授)
「鹿児島の人は普段の桜島の姿を見ている。画像を再現したら、想像力で恐ろしいと思うだろうと。(大正大噴火の)怖さを伝えるのではなく、何が起こったかを伝えたい」

現在も活発に活動し、次の大規模な噴火に警戒が必要な桜島だからこそ、過去の災害をリアルに感じることが、日ごろの備えや防災意識の向上に役立ちそうです。





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