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メンソレータムの女の子は誰?

 乾燥が気になるこの季節、ドラッグストアにズラリと並ぶリップスティックの数々。何を選べばいいか迷うところだが、どの店でも目につくのが『メンソレータム』のリップスティックで、商品にあしらわれた“女の子"のマークもお馴染みだ。でも、よくよく考えてみると「これっていったい誰?」。探っていくと、日本で長年愛されてきた『メンソレータム』の歴史が見えてくる。さらに、歴代リップスティックを紐解けば、昭和、平成、令和の世相も明らかに?

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■紅白歌合戦と同い年、75年間も使われているメンソレータムの“女の子"のマーク

 誰もが一度は目にしたことがあるであろう、メンソレータムの“女の子"のマーク。名前は「リトルナース」といい、日本では『第1回紅白歌合戦』が行われた1951年から、実に75年ものあいだシンボルマークとして使われている。リップスティックに限らず、すべてのメンソレータム商品でお馴染みだ。

 そもそも、メンソレータムの元祖“軟膏"が誕生したのはアメリカで、1894年のこと。その後、1920年に日本への輸出がスタートし、1975年からはロート製薬が様々な商品の製造・販売を行ってきた。「リトルナース」はアメリカ時代から販促物に使用されていたが、1951年からは日本人デザイナーにより今の形にアレンジされたという。ロート製薬の広報・CSV推進部の林田季和さんはいう。

 「メンソレータムは今、世界約150ヵ国で広く展開されているブランドになっています。リトルナースも、一目でメンソレータムの商品だとわかる存在として、世界中で親しんでいただけているのかなと感じています」(林田さん/以下同)

 なぜ、女の子のマークがシンボルになったのか。ロート製薬の公式HPには、「リトルナースは、おせっかいです」という文句が目を引く。

 「普段の生活で、痛い、かゆいといったちょっとした肌の悩みは後回しになってしまいがち。そんなトラブルに本人より先に気づき、治してあげたい、守ってあげたい、和らげてあげたいという思いが商品開発のきっかけでした。その象徴として誕生したのがリトルナース。多くの商品がありますが、すべてが小さなおせっかいから生まれています」

 ちなみに、メンソレータムのキー成分・メンソールの主原料は、薄荷(ハッカ)。開発者であるアルバート・ハイド氏が、日本で古くからやけどや炎症を和らげる薬として使われていたことに着目して採用し、当時は日本から輸入していたという。

 現在はリップスティックのほか、外皮薬を軸に「家庭の常備薬的、お守り的な位置づけ」として、症状や部位にあわせて170以上もの商品を販売している。ここまで商品が増えたのは、1990年代のこと。個人経営の小規模薬局・薬店からドラッグストアへと、薬販売の形態が劇的に変わったことがきっかけだった。

 対面販売から、“自分で医薬品を選ぶ"という新しい習慣が形成された時代。何を選んだらいいか迷ったとき、馴染みのあるブランドに手を出したくなるのは当たり前だ。林田さんが「お客様の困りごとに寄り添うというコンセプトが、ちょうど時代にマッチしたのだと思う」と語るとおり、リトルナースが信頼と安心の目印となり、需要を伸ばしていったのだ。

■リップスティックで世相がわかる? 昭和の女子中高生のお供『キャンパスリップ』

 そんな数あるメンソレータムシリーズの中で、とくに今の時期に注目が集まるのはリップスティックだろう。1975年、緑と白の『メンソレータム薬用リップスティック』が発売されると、日本で初めてリップスティックのテレビCMを流したこともあり、大ヒット。今でもリピーターやコアなファンは多く、リップスティック界の定番として君臨している。

 「1970年代、リップスティックは色付きの口紅のイメージが強かったようですが、メンソレータムリップの登場で“薬に近い存在"と捉えられるように。さらに『キャンパスリップ』などの展開により、より気軽に・毎日使うものへと捉え方が広がり、老若男女問わず幅広い世代に日常的なリップケアの習慣が浸透していったと考えております」

 ケアはもちろん、「毎日使うもの」だからこそ、いつしかファッション性も身にまとったようになったリップスティック。その歴史を振り返ると、年代ごとに世相や流行までもが見えてくる。

 まず、『薬用リップスティック』の発売から4年、1979年に登場したのが「リップクリーム界に革命を起こした」と語り継がれる『キャンパスリップ』。ティーンからの「おしゃれな感覚でリップを持ちたい」というニーズを受けて、女子中高生の憧れだった“大学のキャンパス"をイメージさせるネーミングを冠し、レモンやストロベリーなど5種類の香りを開発。「当時の女子高生の大半がポーチに入れて持っていた」と言っても過言ではないほど、昭和の女子たちの必須アイテムとなった。

 さらに1983年には胸ポケットに入る細身のサイズに進化し、『キャンパスリップほそみ』として登場。スリムでおしゃれなリップスティックとして女子中高生の間で爆発的な人気となり、国内で年間400万本、海外で600万本の大ヒットとなった。

 1987年には、「口紅は唇が荒れるので、先にリップを塗ってから使う」という意見を元に、「口紅の下地に使う」日本初のジェリー状リップの『リップオンリップ』が発売に。

 そして、時は平成。女性たちの心くすぐったのが、2014年に登場したドーム型の『ChuLip(チューリップ)』。上下の唇を一度に塗ることができる球状で、商品の見た目はもちろん、“チュー"するように塗る姿もかわいいことから、スマホが普及した時代の自撮りアイテムとしても人気となった。

 2017年には高保湿タイプの『メルティクリームリップ』、コロナ禍の2022年にはマスクとの摩擦などによる皮むけ・荒れを集中補修する『リペアワン』などがヒット。近年は機能性に注目したものが人気になる傾向があった。

 そして今、SNSを中心に話題なのが、2024年にリニューアルした『リップフォンデュ』。「唇をキレイに見せたい」「自然に盛りたい」という需要の高まりを受けて、製剤の厚みによってふっくらぽってりとした唇にしてくれる商品まで加わった。このあたりは、SNSやインフルエンサーによる美容系の流行が表れている。

 当初のリップスティックから51年。リトルナースのおせっかいは、肌悩みだけでなく、その時々のトレンドにも寄り添い、共に時代を作ってきたといえる。青春時代を思い出す…という人も多いだろう。

■店頭にズラリと並ぶリップスティック、競合他社との差別化は?

 そんなリップスティックだが、今や他メーカーも含め、多種多様な商品が発売され、売り場は群雄割拠の様相。時代に対応しながら変化してきたメンソレータムのリップスティックは、どのように差別化を図っているのだろうか。

 「医薬品リップであるというのが、当社の強みの一つ。荒れや乾燥を防ぐ、唇の基本ケアを大事にし続けているブランドとして、自信を持っております。そのうえで、『リップフォンデュ』の艶やボリューム感のような、時代のニーズに合わせて“なりたい自分に寄り添う"ことも大切。ケアと楽しさの両軸で開発に当たっています」

 学校では無色、プライベートでは色付き、荒れが気になるときは集中ケアといったように、今はシーンや目的、唇の状態に合わせて何本も持っている人も多いとか。

 「リップスティックに限らず、メンソレータムシリーズ全般に言えることですが、時代に合わせて、お客様に対してどういった“おせっかい"ができるかを一番大事にしています。お客様の不調に気づいて、手助けできる信頼できるブランドとして、今後もお客様の視点で肌の悩みに寄り添い、しっかり成長し続けていきたいと考えています」

 辞書には“おせっかい"の意味は「いらぬ世話をやくこと」とある。かわいいリトルナースのおせっかいなら、ありがたく受けたいもの。後回しにしがちな肌や唇の悩みに寄り添ってくれるリトルナースのおせっかいは、まだまだ続く。

(文:河上いつ子)

(提供:オリコン)
2月25日 9時10分配信
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