鹿児島県枕崎市。
三十六代木村庄之助こと、山崎敏廣さんの生まれ故郷です。
枕崎駅で約1年ぶりに山崎さんと再会しました。
山崎さんにとって、忘れられない思い出が残る特別な場所です。
中学校を卒業するまでの少年時代を枕崎で過ごした山崎さんは、
1964年1月15日、枕崎駅で大勢の市民と同級生に見送られながら
日本相撲協会の行司になるべく上京します。
15歳で井筒部屋に入門。
礼儀やしきたりが重んじられる縦社会の中、
早朝から夜遅くまで掃除・洗濯・雑用の繰り返し。
想像以上につらい毎日だったといいます。
心が折れそうなとき足を運んだのが立神岩でした。
立神岩は古くから航海の安全と大漁を祈願してきた守護神であり、
枕崎のシンボルとなっています。波の音に包まれながら、ただ見つめるだけで
分かり合える。大きな心の支えだったのです。
紆余曲折の末、
枕崎駅を出発して47年後の2011年11月、
ついに大相撲の行司の頂点、三十六代木村庄之助を襲名したのです。
そして去年5月26日。初土俵以来、本場所を49年間一度も休まないという
偉業を残し、男の夢は幕を閉じました。
行司人生を支えたもの。
心の支えが立神岩ならば、心の癒しとなったのが
地元・枕崎の薩摩焼酎でした。
「私の夢を応援してくださった方々に、自分で作った焼酎を持って
御礼にお伺いしたい。」
この言葉から、山崎さんの夢の続きは大きく広がろうとしていました。
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