土俵の上で行司が身にまとう装束。
山崎さん自身、何着持っているか分からないといいますが、
特に思い入れのある一着があるとのこと。
枕崎の有志からプレゼントされたものがそうです。
枕崎の文字をモチーフにした花文字。
枕崎特産の電照菊もあしらってあります。
木村庄之助襲名後の初土俵でも、この装束を選んで上がりました。
この一着をはじめ、山崎さんの装束を15年前から
手がけている工房があります。京都に店を構える「有職工房」です。
感謝の気持ちを込めた「夢一」を手に、工房を訪ねました。
装束を作る職人の世界は完全な分業制。
山崎さんの装束も例外ではなく、10人ほどの一流の職人が、
それぞれ専門の技と知恵をふり絞って作られました。
しかし、その職人も年々後継者が減っているといいます。
東京、新潟、京都を巡り、共通して言えることは、
出会った人々が伝統文化を継承した職人であること。
しかし時代の流れの中で、その伝統文化は徐々に薄れようとしています。
山崎さんはもどかしさを感じていました。
頂点を極めた職人がすべきことは、次の世代へ技と心をつなぐこと。
それこそ、三十六代木村庄之助の夢の続きなのかもしれません。
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