袴田さんの無罪確定求めるアピール 鹿児島県内のえん罪事件関係者も参加


 58年前のいわゆる「袴田事件」をめぐる再審=やり直しの裁判で、袴田巌さんが無罪判決を受けたことについて、鹿児島県内でも検察に控訴しないよう求める運動がありました。

 袴田事件をめぐっては今月26日、死刑判決が確定していた袴田巌さんがやり直しの裁判で静岡地裁から無罪判決を受けました。これを受け、全国の検察庁前では袴田さんの無罪を確定させるために、静岡地検に控訴しないよう求める運動が行われています。

 鹿児島地方検察庁前でも、えん罪事件と戦う人を支援している団体や県内で起きた選挙違反をめぐるえん罪事件・志布志事件の関係者、えん罪を訴える大崎事件の原口アヤ子さんの支援者ら17人が声を上げました。

■日本国民救援会鹿児島本部の野元幸一・事務局長■
「(袴田事件は)これまでのえん罪事件の象徴的な事件だと思うので、失われた過去は戻らないが、無罪を確定して自由の身になってほしい」

 控訴期限は来月10日です。

 その「袴田事件」について、袴田巌さんの姉が大崎事件で再審を求めている原口アヤ子さんに激励のメッセージを贈りました。

【動画メッセージ】
■袴田ひで子さん(91)■
「皆さんのおかげで無罪を勝ち取りました。どうもありがとう!原口アヤ子さん、応援してくださった皆さま、ありがとうございます。今度は原口アヤ子さんの番だよ」

 志布志市の施設にいる原口アヤ子さん(97)のもとに、袴田さんの姉・ひで子さんから激励の動画メッセージが届きました。アヤ子さんは、じっと聞き入っていました。

 1966年に4人が殺害された袴田事件をめぐっては、死刑が確定していた袴田巌さん(88)に今月26日、再審で静岡地裁が無罪判決を言い渡しました。
 アヤ子さんは97歳、関係者の高齢化も進んでいて、全国のえん罪被害者らは再審法の不備を指摘し、改正を訴えています。

■支援者の武田佐俊さん■
「(袴田事件の無罪判決は大崎事件への影響も)大きいだろう。(静岡地裁の無罪判決は)検察の今までのやり方に息の根を止めてくれたなという感じ。再審法をどうしても改正しなければ、えん罪被害者は後を絶たない」

 大崎事件を巡っては原口さんが無実を訴え4回目の再審請求中で、今後、最高裁が判断し、決定を出します。

 
「KKBみんながカメラマン」