石破新政権発足 注目の経済政策 鹿児島県内への影響は? 専門家に聞く


 1日就任した石破総理大臣。経済政策について、賃上げと投資が牽引する「成長型経済」を継承するとしています。鹿児島の経済への影響は?九州経済研究所の福留一郎さんに解説していただきました。

■九州経済研究所の福留一郎・経済調査部長■
「期待しないはずがないというか、期待の一言に尽きます。国のトップ、それから党の実質トップ、そしてまた農林水産大臣と。鹿児島にはこの上ない布陣と言ってもいいのでは。今まさに追い風が吹いている状況」

 鹿児島の基幹産業である農業分野と地方の現状に詳しい議員も多い、またとない内閣だと話す福留さん。地方に対する財源の増額にも期待を寄せています。

■九州経済研究所の福留一郎・経済調査部長■
「明日(4日)の所信表明演説で、地方創生交付金を今までの倍にするという見方もあり、本当に歓迎すべき話」

 緊縮財政派とみなされ、財政の健全化や増税の必要性を訴えていたことから、総裁選に勝利した際には株価が下落して「石破ショック」という単語も生まれました。

■九州経済研究所の福留一郎・経済調査部長■
「名前をもじって、石破「さげる」とか揶揄されるような話も出ていますけど、あまりにもそこ(緊縮財政)だけクローズアップするのは正しくない」

 増税の議論についても、重要な点は集めた税金の分配・循環だと指摘します。

■九州経済研究所の福留一郎・経済調査部長■
「(石破氏が主張する税の再分配が)公正公平で終わらずに成長にもつながるような、そういった流れをうまく出していければいい」

 そのうえで、当面は財政出動を行い、経済の安定化を図ると、福留さんはみています。

■九州経済研究所の福留一郎・経済調査部長■
「中長期的には、財政の安定化を考えると緊縮財政もちゃんとやらないといけない。(しかし)短期的にはもう財政出動。今まで以上にやらないといけない状況がある。(財政出動の中でも)物価高対策。今回の政権の一丁目一番地の政策と言っていい」

 新しい政権の発足で、暮らしや経済はどう変化するのか?街の声を聞きました。

■30代■
「期待はしている。良い方向になってほしいという思いを込めて期待はしている。給料が上がって、物価も上がって。日本だけがずっと変わらずに(いる)。世界と同じようにやっていけたら良いんじゃないかな」

 期待の声がある一方、増税への懸念と経済の停滞を指摘する声もあります。

■60代■
「富裕層に対する課税などを言っているが、その富裕層が経済を引っ張っているという部分もある。若干(経済が)トーンダウンするところもあるかもしれない」
■30代■
「人(総理)が交代したら色々流れも変わる。それが良いか悪いかは別として。変わったのちあとを見ないと分からない。変化が定着して初めて感想が出てくる」

 
「KKBみんながカメラマン」