「闇をあばいてください」鹿児島県警前生安部長 今年1月に警察庁にも告発文 管区警察局長の懇親会とがめる内容 県警は「問題なし」
鹿児島県警の一連の不祥事や疑惑を受けてKKBでは11日、特別番組を放送しました。
県警の元最高幹部が訴えた「県警の闇」とは何だったのか。
ジャーナリストに告発文を送った前の生活安全部長は今年1月、警察庁に対しても告発を行っていました。
県警の前の生活安全部長本田尚志被告は、九州各県の警察本部を指導・監督する九州管区警察局長と県警幹部による懇親会が「不適切」だとして警察庁に指導を求める「告発文」を送っていました。
九州管区警察局など複数の警察関係者によりますと、管区警察局長の巡視は今年2月5日と6日、2日間にわたって実施されました。
懇親会は2月5日の夜に鹿児島市中心部の飲食店で開かれ、管区警察局長とその秘書、県警からは野川明輝・前本部長をはじめ部長級の幹部らが参加して、総勢10人規模で開催されました。
県警幹部など複数の関係者によりますと、前生安部長は1月下旬に鹿児島市内の郵便局から告発文を送りました。
告発文では以前に管区警察局が管内の警察本部を監察した際、管区警察局の幹部と警察本部幹部との間で開かれた懇親会が中立性の観点から問題になったことが指摘されていました。
また、1月に発生した能登半島地震の復興支援で、県警職員が車中泊に耐えながら職務に当たっていると主張。
こうした状況のなかで安易な懇親会の開催は控えるべきだとして、警察庁に指導を求める内容でした。
差出人には、井上昌一・前刑事部長の名前が書かれていました。
県警内では当時、実際に能登半島地震の被災者や被災地に派遣されている県警職員を慮り新年会などの宴会を取りやめるケースもあったといいます。
しかしこの告発にもかかわらず実際に懇親会が開かれたことから、前生安部長は警察庁による対応がなかったと判断し、退職後に行った不祥事の告発先として北海道のジャーナリストを選んだとみられます。
県警は取材に対し
「巡視の目的や懇親会が業務時間外に行われていたことを踏まえると、幹部同士の懇親会は親睦を深める意味でも有意義なものである。能登半島地震への職員の派遣計画も既に策定されていた時期での懇親会は何ら計画に支障をきたすこともなく、問題のある行為とは考えていない」としています。