平成で加速した『超合金』進化

 昭和49年(1974年)に誕生した超合金は、ズシリと感じる重量感と精巧なギミックでちびっこたちのハートをガッチリとキャッチ。そんな、玩具の代表格だった超合金シリーズも、平成に入るとあらゆる面で進化が加速。大人の鑑賞にも耐える“大人のオモチャ"として愛され続けている。ここでは、超合金の歴史を知る、バンダイコレクターズ事業部の木村禎成氏にインタビューを実施。ホビー界に影響を与えた「アメトイ」や「スパロボ」の存在、エポックメイキングとなった作品など、“超合金進化"の舞台裏を聞いた。

【写真】どこまで進化する?「超合金」の雄姿!ゲッター、エヴァ、マジンガーZ、ダイターン…“神造形"一挙見せ!

■大人向けの「超合金魂」は、おもちゃ市場ではメインストリームではなかった

――超合金の歴史は74年発売の『マジンガーZ』 からスタートし、一時代を築きました。そして23年後の97年には、大人向けの商品として位置付けされた「超合金魂」が販売されました。

【木村禎成】「超合金魂」は今年で22年になります。当初は、ハイターゲットに向けたオモチャであり、決しておもちゃ市場ではメインストリームではありませんでした。

――当時、大人を対象としたオモチャ市場は今ほど重視されていなかったんですね。「超合金魂」の中で注目を浴びた商品は何でしょうか。

【木村禎成】97年12月発売の「超合金魂 GX-01 マジンガーZ」は、“大人向け"の『マジンガーZ』を出すという試みだったため、我々としてもエポックメイキングな商品になっています。

――今、老若男女を問わず「自分はオタク」と名乗れる時代ですが、80年代後半から90年代の前半にかけて、オタクカルチャーは偏見の目に晒された“冬の時代"でした。超合金などのオモチャへの影響はどうだったのでしょうか。

【木村禎成】そこまで冬の時代とは感じませんでしたが、90年代にはアメトイ(アメリカ発の玩具)のブームが来て、『スポーン』や『スター・ウォーズ』のフィギュアだったりを部屋の壁に飾ったりコレクションするのが流行りました。これが大人のホビー業界の趨勢に大きな影響を与えたと思います。

――原宿界隈のオシャレな人たちが、こぞってアメトイの箱を部屋に飾っていました。

【木村禎成】当時、私はガシャポンの部署にいましたが、精密な造形で精巧な彩色のものは売れたんです。その頃から、玩具を大人が買う傾向が高まっていました。

■『スパロボ』には“足を向けて寝れない"

――おっしゃる通り、商品のクオリティは日進月歩で上がっています。大人の鑑賞にも耐える商品が増えたことで、平成ではオモチャを大人が買う時代に変化していったと。
【木村禎成】そうした変化は大いに感じました。超合金魂としては、ギミック的にもプロポーション的にもターニングポイントだったのは2003年2月に発売された『GX-13 超獣機神ダンクーガ』だと思っています。4体合体するのはもちろん、それぞれがちゃんとビークルモードとロボットになる。これはモノ作りとして非常に難易度が高いんです。そして、『マジンガーZ』などに代表される70年代ロボから80年代ロボへと時代が変わったにもかかわらず支持されました。

――プロポーションの追求は、オモチャの“フィギュア化"とも言えるのでしょうか。

【木村禎成】そうですね、初期に発売した『マジンガーZ』は、超合金の進化と呼ぶにふさわしいスタイルでしたが、今ではよりフィギュア的なプロポーションに近づいていると思います。

――とはいえ、細部が進化する一方で、「超合金魂」となった今も昔ながらのロケットパンチのギミックは残っているんですね!

【木村禎成】当時(1974年)の記憶をどう補完するかも大事な要素のひとつで、ロケットパンチも今ならではの技術で再現しています。

――『ダンクーガ』の話がありましたが、私はこの作品をゲームの『スーパーロボット大戦(スパロボ)』シリーズで知りました。当シリーズによって、『聖戦士ダンバイン』や『伝説巨神イデオン』など、昭和の名作アニメが認知されて商品展開に繋がるといった影響はあったのでしょうか。

【木村禎成】それは大いにありました。私として『スパロボ』には“足を向けて寝れない"、なんて思っているほどなんです(笑)

――さきほど、超合金シリーズも“フィギュア化"していてプロポーションのレベルが上がっているとおっしゃいましたが、現代におけるプロポーションの重要性というのは?

【木村禎成】作品やキャラクター次第だとは思いますが、一番は劇中のかっこよさをどう再現するかだと思います。また、新しいアレンジだったり解釈を取り入れた個性を全面的に出すモノもあります。

■“解釈違い"はご法度?求められる原作の再現性

――人気タイトルを扱う上で、“解釈違い"の問題などはないのでしょうか。
【木村禎成】新しい楽しさを商品側から提案するようにしています。ただ、みんなが“望んでいる形"も当然意識しています。そこは凄くデリケートな部分でもあるので、大きなズレがないよう苦心する部分でもあります。

――おっしゃるように、アニメで登場していた機体を、今風にブラッシュアップするモノもあれば、劇中のポージングやプロモーションを“そのまま"再現している作品もあるかと思います。例えば、昨年末に発売された「DX超合金 VF-1 バルキリー(一条輝機)」の再現度の高さには驚きました。

【木村禎成】これは「DX超合金」の商品として発売されたもので、サイズ的にも約1/48(全高27センチ)と大きく、重量感も含めて「これぞ超合金」という作品に仕上がっています。

――(手に取ってポージングをさせながら)アニメで見せる有名なキメポーズも完璧に再現できますね。ファイター、ガウォーク、バトロイドの変形も含め、ここまで進化したのかと感じます。

【木村禎成】製作は3Dデータでやっていますから精度は各段に上がっていますし、いかにアクションを決めるかという点も重視しています。

■『マジンガーZ』への海外ファンの熱量は日本以上

――日本のロボットアニメが世界中で支持されていることを考えると、今後の世界展開はより活発になっていくのでしょうか。海外の意外な場所で日本のロボットアニメが人気だと聞きます。

【木村禎成】欧州では『UFOロボ グレンダイザー』が人気です。あと、昨年末に発売したばかりですが、イタリアでは『無敵鋼人ダイターン3 』の人気も相当高いです。香港や台湾は日本の趣味趣向と近しいものがあって、超合金に対してのリスペクトも高いです。なので、『マジンガーZ』などは日本よりもファンの熱量が高いかもしれません。

――そう聞くと、今後のグローバル展開も気になります。

【木村禎成】“オモチャ"のグローバル化はもちろんですが、若い世代への訴求も重視しています。その点でいうと、40代以上に向けた「超合金魂」のシリーズ、そして20〜30代に向けた新たなダイキャストトイ「METAL BUILD」シリーズを、「超合金」ブランドの2軸として展開していきますので、注目していただけたらと思います。

(提供:オリコン) 2月8日 7時00分配信

1974年に誕生した超合金「マジンガーZ」(写真左)と、1997年に発売された超合金魂「GX-01 マジンガーZ」(写真右)?ダイナミック企画

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