西川美和監督のオリジナル最新作『わたしの知らない子どもたち』(10月16日公開)に、役所広司、田中裕子、岡田准一、吉田羊、坂東龍汰ら13人が出演していることが発表された。あわせて予告映像とポスタービジュアルも公開された。
【動画】『わたしの知らない子どもたち』予告編
本作は、『すばらしき世界』『永い言い訳』の西川監督が原案・脚本・監督を務めるオリジナル最新作。オーディションで選ばれた新人・小八重葵美と二階堂ふみがダブル主演を務め、琴子の父・茅野孝一役に竹野内豊、琴子の兄に櫻井海音、琴子の靴磨きの仲間に花瀬琴音らの出演も発表されている。
物語の舞台は戦後の混乱期。戦争で家族を失った少女・琴子(小八重)は、性別を隠し、少年として生き延びようとする。一方、教師の職を失い、乳飲み子を抱える曽根(二階堂)は、かつて自分が見捨ててしまった生徒の琴子を捜し、焼け野原となった街を奔走する。
役所と田中が演じるのは、戦争孤児の矯正施設「水上寮」から逃げ出した子どもたちに寝床を与え少しの間、面倒をみる漁師の夫婦・山井甚平とけい。岡田は、闇市で暮らす孤児たちを父親のような愛情で受け入れる新興ヤクザの組長・菊沢徹を演じる。
吉田は、散り散りになった子どもたちを迎え入れる孤児院「隣相館」の館長・鷹間乃生役。坂東は、矯正施設の子どもたちの相談役となり、仕事を超えて理解者になろうとする新聞記者・諸積京一郎役を務める。
そのほか、日本人と朝鮮人の抗争をあおる刑事役で北村有起哉が出演。赤間麻里子、岩谷健司、つみきみほ、マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオ、井上肇らも名を連ねる。
予告映像は、二階堂演じる曽根の「わたしは、わたしの生徒を棄てました」という衝撃的な告白から始まる。幸せな家庭に育ちながらも戦争で孤児となった琴子の行方を捜す曽根は、琴子が少女であることを隠し、少年として生きている事実を知る。
映像には、琴子を受け入れる菊沢、警察から逃げる子どもたちに寝床を与える山井夫婦、孤児救済施設の館長・鷹間、琴子を疎開させた父親らの姿も登場。離ればなれになった子どもたちと、その命を未来へつなごうとする大人たちの運命が交差していく。
焼け野原となった東京や人々でごった返す駅、バラックが立ち並ぶ街並みなど、戦後の風景は大規模なセットで再現されたものだ。
ポスタービジュアルは、世界で活動するフォトグラファー、レスリー・チャンが撮影。小八重、二階堂を中心に、役所、田中、岡田、竹野内、吉田、坂東ら主要キャストの顔が並び、過酷な時代を生き抜く登場人物たちのまなざしを切り取っている。
音楽は、映画『国宝』などを手がけた原摩利彦が担当。主題音楽となるラストシーンの演奏には、坂本龍一が設立した東北ユースオーケストラが参加した。そのほかの楽曲はイタリア・ローマで録音され、原は「イタリアの指揮者や奏者が真剣に映画や音楽に向き合ってくださる驚きと演奏を通しての気づきがあった」とコメント。西川監督も「音楽的な歴史の厚みを感じる演奏」と国を超えた共同作業への手応えを語っていた。
■新たに発表されたキャスト陣のコメント
▼役所広司(山井甚平役)
心からこの映画を観てほしいと思います。
子どもたちの眼差しをしっかり受け止めてほしい。
彼らは、戦争孤児という役を演じる中で、当時の孤児たちに思いを馳せた瞬間があったに違いない。
主人公・琴子をはじめ子どもたちの眼差しが胸に刺さります。
日本映画史の中で、大切な作品が生まれたと思います。
この作品に参加された全ての皆さん、お疲れ様でした!
そして、おめでとうございます!
▼田中裕子(山井けい役)
映画『ゆれる』を観て、凄い作品だなぁと思っていました。
その西川組に出られるなら、ぜひ出たいと思って参加させていただきました。
琴子に会えてよかった。
▼岡田准一(菊沢徹役)
西川監督の作品を心待ちにしていた一人として、この作品には映画としての面白さだけではなく、社会への問いが込められていると感じます。
この作品は主人公・琴子を演じた小八重さんを含め、子どもたちが本当に素晴らしく魅力にあふれています。
大人の責任を考えさせられ、問いがあるこの作品が多くの人の心に残り、語り続けられる作品になってほしいと思います。
「火垂るの墓」の後継作はこの作品。今観るべき作品かと思います。
▼吉田羊(鷹間乃生役)
尊敬する西川監督の作品に参加させていただき、大変光栄に思います。私が演じたのは、主人公琴子がたどり着く戦争孤児救済施設の館長。撮影時は蝉鳴きしきる真夏、クランクインから既に3ヶ月が経っており、現場は朝から、小八重葵美さん演じる琴子が生き抜いてきた先の"今日この瞬間"をクルー全員でじっと見守っている、そんな温かさに満ちていました。
一方で、西川監督は大人、子ども、キャリアの区別なく一人一人を尊重し、エキストラの子どもたちを含め俳優全員に目を届かせておられるのが印象的でした。恥ずかしながらこの作品に関わらせていただいて初めて、戦争孤児について学びました。戦争体験者が年々少なくなる中、映画もまた、その役割を引き継いでいけるようにと願ってやみません。平和への祈りをこめて、この映画がたくさんの方へ届きますように。
▼坂東龍汰(諸積京一郎役)
西川美和監督の作品に触れるたび、その人間をまっすぐ見つめる眼差しと、心を深く揺さぶる物語に何度も感動してきました。西川監督の作品に、諸積という役で参加させていただけたことを心から光栄に思います。
諸積は、戦後を生きる戦争孤児たちの現実を目の当たりにし、自分に何ができるのかを必死に問い続ける若い新聞記者です。子どもたちの置かれた過酷な状況や、その小さな希望に触れるたび、諸積の正義感や葛藤を自分自身のことのように感じながら、一つひとつの場面に向き合いました。
西川監督は、常に作品を真ん中に置き、キャストやスタッフ一人ひとりを深く信頼して現場をつくってくださいました。その空気の中で、役と誠実に向き合い、自分に何ができるのかを考え続けられた時間は、俳優としても大きな財産になりました。
この作品は、戦後の物語でありながら、今を生きる僕たちにも問いを投げかけてくれる映画です。ぜひ劇場の大きなスクリーンで、この作品が持つ熱量や息遣いを受け取っていただけたらうれしいです。
(提供:オリコン)
7月29日 7時41分配信