“水ホラー”『洗浄』世界初上映

 俳優の入江甚儀と田中真琴が主演する映画『洗浄』(2027年春公開)が現地時間14日、スペインで開催中の「第59回シッチェス・カタロニア国際映画祭」(10月8日〜18日)のパノラマ部門でワールドプレミア上映された。本作で長編監督デビューを果たす宮原拓也監督が登壇し、生きるために欠かせない「水」を恐怖の対象として描いた着想を語った。

【画像】映画『洗浄』ポスタービジュアルや場面写真

 本作は、映画レーベル「NOTHING NEW」が送り出す、『チルド』『我々は宇宙人』に続く長編映画第3弾となるサスペンス・ホラー。湖畔のリゾートに招かれたカップルが、豪華なおもてなしと、宿に伝わる「水」を軸としたサービスを受けるうちに、その裏に隠された水の正体に気づき始める物語を描く。奇妙で不穏な“史上最悪のおもてなしバカンス映画"だ。

 宮原監督が脚本・編集・監督を担当し、TRPGシナリオ『カタシロ』で知られるディズムが脚本協力として映画脚本に初参加した。宮原監督は、「オールナイトニッポン55周年記念公演『あの夜を覚えてる』」でACC TOKYO CREATIVITY AWARDSグランプリを受賞し、2024年には短編映画『洗浄』がクレルモン=フェラン国際短編映画祭に日本人で唯一ノミネート。シッチェスで自身初の長編作品をお披露目する記念すべき瞬間を迎えた。

 SF、ホラー、ファンタジーなどのジャンル映画に特化した同映画祭。上映会場となった映画館「Cinema Prado」の入り口には開映前から観客の列ができ、宮原監督がサインを求められる場面も見られた。

 上映前、宮原監督はカタルーニャ語と英語であいさつ。「初めての長編映画を、このような素晴らしい映画祭で上映できることを、とても光栄に思っています」と喜びを伝えた。

 作品の出発点は、「私たちにとって、最も恐ろしいものは何だろう?」という疑問だったという。考えた末に浮かんだのが、水の存在だった。

 「私たちは誰もが、生きるために水を必要としています。でも、それは裏を返せば、私たちの命は水に支配されていて、そこから決して逃れることができない、ということでもあるんじゃないかと思いました」と説明。このアイデアに、現代の日本の若者が社会に抱く無力感や、現実から逃げ出そうとする傾向を重ね、「現代における、ある種の神話のようなもの」を作ろうとしたと明かした。

 さらに、映画祭やキャスト、スタッフ、来場した観客へ感謝を伝えると、会場から拍手が送られた。上映中には、ある場面で観客から大きな拍手が起こり、終映後も拍手に包まれた。

 劇場の外でも観客に囲まれ、サインを求められた宮原監督は、初上映を終えて「ファンタスティック映画祭ならではの熱気と温かい反応に勇気づけられました」とコメントした。

 『洗浄』は、2027年春に日本公開される。



(提供:オリコン) 10月15日 8時46分配信

第59回シッチェス・カタロニア国際映画祭で宮原拓也監督の映画『洗浄』が世界初上映

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