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『9月は認知症月間 認知症の母親を介護した男性はー「特別なことではなく 誰でもなりうる」 鹿児島』

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 さて、9月は認知症月間です。県内でも認知症について考える様々な取り組みが行われています。

 オレンジ色に照らされたかごしま水族館。今月の認知症月間に合わせて、シンボルカラー・オレンジ色のライトアップが鹿児島市内の8カ所で行われていて、KKBの鉄塔もオレンジ色に点灯しています。県庁1階のロビーではパネル展示も行われいて、認知症の早期発見につながるポイントや支援の仕組みを紹介しています。

 【北崎アナウンサー】
「例えばこちらではもの忘れと認知症の違いについて、朝ごはんのメニューを思い出せないのか朝ごはんを食べたことを忘れているのかなど、例をつかって分かりやすく解説しています」

 パネル展示は9月30日まで、県庁だけでなく鹿児島市のイオンモール鹿児島、奄美市の県立奄美図書館で行われています。

 【県高齢者生き生き推進課・福山 由紀さん】
「まずは見守ることが大切であって、声をかけるときは大勢で囲むのではなくてひとりでゆっくり前のほうから声をかけること、おだやかにはっきりした口調で声掛けすることもポイントだと思います」

 【鹿児島市・下鶴 隆央市長】
「認知症の予防、早期発見・早期対応や認知症の人とその家族の思いに寄り添った取り組みを進めていくため、ここに認知症オレンジシティかごしまを宣言します」

 一方、鹿児島市では認知症について学ぶセミナーが開かれ、下鶴市長が認知症の予防や理解促進を図る取り組みを市民や事業者と一体となって進めていくことを宣言しました。

 セミナーでは認知症専門医の長友医継医師が講演し、認知症の症状や種類などを解説。認知症は早い段階で薬を使用すると進行を遅らせることができるとし、参加した市民ら約150人に改めて早期発見・早期治療の大切さを訴えました。

 県によりますと、県内の認知症の高齢者は去年10月1日時点で約6万2千人と11年連続で6万人を超えています。

 また、40歳以上64歳以下の若年性認知症は584人となっています。

 【長友医継 医師】
「(若年性認知症)高齢者に比べますと、まだまだ利用できるサービスが少ないので、高額なサービスを使わざるを得なくなっています。経済問題が出てきてしまうので、若年性認知症の問題が非常に大事な問題」

 若年性認知症については、長期に渡って医療費が必要になることや就労が困難になり経済的な問題も出てくるとしたうえで、社会全体で考えなければならない問題だとしています。

 そして3日は、認知症の母親を介護した経験のある男性を取材しました。男性がカメラの前で語ったこととはー。

 奄美市出身の重井英二さんです。認知症を患った母親をおよそ7年間介護してきました。現在はその経験を生かし、認知症の患者や家族を支援する団体の代表世話人を務めています。

 重井さんの母親は1923年生まれで、大島紬を織りながら兄弟6人を育てる働き者だったそうですが、85歳のころ認知症に。夜遅くにタンスの整理をしたり、トイレの時間が長くなったりするなどの症状が出はじめ、その後、自宅を認識できなくなり、度々、家から出ていこうとしたそうです。

 【まーじんま代表 世話人 重井英二さん】
「なんでここは自分の家でしょというかたちで説得して、はいここに写真がありますよ、仏壇がありますよというかたちで言うんですけれども本人は納得しない(で家を出て行こうとする)」

 特に困ったのは「不安や興奮」など心理的な変化です。

 【まーじんま代表 世話人 重井英二さん】
「一時間ぐらい外に出て帰ってきたら本人(母親)がもう目の色を変えてですね、目は逆立っていながらすごい怒った顔をして「お前たち何してるの」とか言って」

 重井さんはできるだけ母親を1人にしないよう兄弟と協力しながら自宅で介護を続けたと言います。

 【まーじんま代表 世話人 重井英二さん】
「認知症は特別なことではなくて誰でもなりうる。今の現状を受け入れて、優しく対応していけば、きっと相手も優しくなる。(医者が)知らない人の間では徘徊だけれども知っている人の間では散歩だよという言い方をされてなるほどねと。話が通じなくても一緒に今まで通りの輪に置いてくれる、そういうような付き合いがあちこちで広がってくれたり声をかけてくれたりしたら良いなと思います」





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