約11年ぶり 国の原子力総合防災訓練 能登半島地震を踏まえた取り組みも 鹿児島


 およそ11年ぶりの実施となった原子力総合防災訓練。川内原発の重大事故に加え、新たに能登半島地震を踏まえた訓練も行われました。3日間を通して見えてきた課題とはー。

 訓練は薩摩半島西方沖を震源とする最大震度7の地震により、川内原発から放射性物質が漏れ出た想定です。

石破内閣総理大臣
「原子力緊急事態を発出します」

 およそ11年ぶりに国と県が合同で実施し、300の機関、住民も含む4800人が参加しました。

 新たに取り組んだのは去年1月に起きた能登半島地震を踏まえた訓練です。

 石川県にある志賀原発で事故は発生していませんが、原発から半径30キロ圏内の14の地域、少なくとも150人あまりが孤立し、道路も32カ所が通行止めとなりました。

 訓練では道路が寸断され孤立した地域の住民を自衛隊員がゴムボートで沖合の艦艇に運び避難させるなど、陸路以外の避難経路を確保しました。

(参加者)
「羽島も海岸沿いで道路が遮断されたりしたらですね、こういう救助活動がいかに大事かというのがひしひしと感じましたね」
「大変なんだろうな、こういう状態に陥ったら。危機感を改めて感じますよね」

 一方、原発の重大事故を想定した訓練では、放射線を測定するモニタリングポストが故障した場合の無人航空機を使った測定や原発から半径30キロ圏内の住民が被ばくしていた場合の除染の手順などを確認しました。

 ただ、今回は大半の避難者が被ばくしていない想定で、救助に当たる隊員も防護服などは身に着けませんでした。

 訓練を視察した県原子力専門委員会の地頭薗隆座長はー。

【県原子力専門委員会 地頭薗隆座長】
「原子力災害の場合は放射線の影響をありますので、それは今後、それが加わった時はどうなるのか。検討することになると思います」

 16日、訓練を視察した知事はー。

【塩田知事】
「(国との)手順等の確認、連携の強化、また住民の皆さんの防災意識の向上に一定の効果があったのではないかと思っている」

 今後、県は課題を整理し、訓練計画などに反映させたいとしています。

 
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