荒茶生産量日本一 その要因は? 鹿児島


今年度の荒茶生産量、日本一達成のニュースで県内に喜びの声が広がっています。長年の悲願達成にはあのメジャーリーガーも一役買っているのかも?

農林水産省によりますと、2024年産の鹿児島県の荒茶生産量は、前の年に比べ3.4%増え全国1位。静岡を上回ったのは1959年の統計開始以来初の快挙です。

その要因のひとつとされているのが、ドリンク原料の需要の高まりです。

国内荒茶生産量のおよそ4分の1を取り扱う大手・清涼飲料水メーカー伊藤園が、緑茶飲料に使う荒茶のうち鹿児島県産は例年約40パーセントを占めています。

伊藤園は去年4月末にロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手とグローバルアンバサダー契約を締結。大谷選手のCM起用も追い風となり、主力商品「おーいお茶」は売上が好調で、1989年の発売開始からの累計販売数が、なんと450億本を突破しました。

この勢いが鹿児島県産の茶葉の需要にも追い風になっているかもしれません。


一方で、去年まで実に65年間続いた1位の座を鹿児島に明け渡したかたちの静岡県は、この事態をどう見ているのでしょうか。

【静岡県 鈴木康友 知事】
「2位になったということは大変残念。国内需要は次第に減少傾向なので、需要が伸びている海外に向けて展開が必要になってくると思う。農家の皆さんと一緒に1位奪還に向けて頑張っていきたいと思う」

65年連続日本一の静岡が今回2位に転落したことを受けて、鈴木知事は、静岡茶のブランディングと需要の伸びが見込まれる海外市場向けの生産体制を強化する予算を新年度当初予算案に盛り込み、1位奪還を目指す考えを示しました。


品質が良く、高値で取引される一番茶。鹿児島のお茶のブランド力を高める重要な要素だと製茶会社の関係者は指摘します。

【池田製茶 池田研太 社長】
「特色のある産地のお茶が多いので、味を見極めるというのが仕事」

バリエーション豊かだという鹿児島の荒茶。

鹿児島市の池田製茶では、生産者から仕入れた荒茶をブレンド・焙煎し、煎茶や抹茶に仕上げています。

【池田製茶 池田研太 社長】
「いわば“お茶の料理人”みたいな仕事。その技術を生かしてどうお茶に付加価値をつけていくか」

淹れたての味わいは…。

【小田アナウンサー】
「お茶の甘みとうまみを感じます。後味、鼻に抜ける香りがさわやか」

念願の荒茶生産量日本一。

鹿児島のお茶のブランド力を高めるためには、一番茶の良さを伝えていくことが重要だと指摘します。


【池田製茶 池田研太 社長】
「(一番茶は)うまみがたっぷりつまっている。一番茶を売るというのが鹿児島のブランド力を上げる要素だと思うので、どう鹿児島のお茶を国内外にPRしていくかが大事だと思う」

 
「KKBみんながカメラマン」